『資産のポートフォリオに債券を入れるか?』
悩みますよね。
2023年、私はリスク資産の4%程、米国の債券を購入しました。
購入目的は、『債券投資の経験』です。
チャートを使いながら、理由を解説していくので、是非最後までご覧になって下さい。
最後は、オススメ書籍も紹介しています。
この記事のポイント
✅
米国の金融政策
✅米国債券の運用方法
マクロ経済を理解することで、背景や債券投資タイミングの理解に繋がると思います。
目次はこちら
22/23年 米国の金融政策
インフレ率
まず、最初はアメリカのインフレ率(物価上昇率)から。
下記のグラフが示すように、2020年頃からアメリカのインフレ率は右肩上がりに上昇している事が分かります。
2023年、日本のインフレ率が3〜4%程なので、2022年頃のアメリカのインフレ率7.99%は、すごい事が直感的に分かると思います。
日本も日本で大変ですが、アメリカの上昇率は日本の倍です。
卵1パックが600円と言う世界です…凄いですよね!
社会に出回るお金の流通量が多いと、消費者の購買欲はなかなか落ちずに物価上昇を抑える事は出来ません。
お店側は、需要があれば価格転化出来るからですね。
アメリカの中央銀行にあたるFRB(The Federal Reserve Boardの略)は、社会のお金の量をコントロールする為、金融引き締めを行います。
これがいわゆる、”利上げ”です。
利率を上げる事により、企業や個人はお金を借りにくくなるので、社会に出回るお金の流通量が減少してきます。
お金の量が減れば、お金の価値がモノよりも高まるので、価格上昇を抑える働きとなります。
これまでのFRBの金融政策は、下記の通りです。
インフレ率のグラフと見比べると分かりますが、2022年頃からFRBは急速な利上げを行っている事が分かります。
急ブレーキ(利上げ)をかけ、経済を冷まそうとしている訳ですね。
金利と債券価格の関係性
金利が上がると、今回私が購入した債券価格はどうなるのか?
ここを考えていきます。下図をご覧下さい。
格付け高い米国債券は流動性が高く、市場で売買取引されています。
基本、利回りが高い方が需要は高くなる(皆が欲しがる)ので、図の5%債券価格は上昇します。
逆を言えば、過去の債券(図の3%商品)は、需要が下がり(皆が欲しがらないので)、債券価格は下落します。
具体的に債券チャートを見てみましょう。
米国債券の価格
今回、私が購入した生債券はチャートがない為、近い商品であるバンガードの超長期米国債ETFであるEDVのチャートを載せました。
3年前の170.09 USDからは、半分以下の77.57USD(23年8月時点)まで価格が下がっている事が分かります。
先程、説明した金利が上がると債券価格は下落する構図ですね。
この相場がどの位のものか?もう少しチャートの時間軸を伸ばしたいと思います。
ご覧の様に、今回(R5.8月時点)の米国債券の価格は、2010年以来の相場環境である事が分かります。
米国債券は、Aaa(ムーディーズ)〜AA+(S&P)と、世界的にもトップクラス(11位)の格付けです。
因に、日本の格付けはA1〜A+。
世界水準では、25位の位置づけ。
金利上昇による債券価格の下落で、『良い商品が安く買える状態』になっていると言う事です。価格は、下の表をご覧下さい。
(出典;楽天証券)
各証券会社のHPをみても、”割引の凄さ”が分かると思います👆
債券運用
運用と言っても、リスク資産の4%と言う規模なのでご了承下さい。
①リセッション時(景気後退)と②満期まで持った場合の2点で考えます。
①リセッション時
先程、紹介した様に経済と金利は密接に関係しています。
景気が良ければ(強過ぎれば)、利上げを行い物価上昇を抑えなければならないですし、景気が弱ければ利下げ転換して、社会にお金を流し経済を動かしていく必要があります。
利上げを行えば、物価を抑える事は出来ますが、景気にブレーキをかける事にも繋がります。
その証拠に、23年に入った頃からインフレ率が鈍化(7%台→4%台)している事が分かります。
ここから言えるのが、利上げの出口が見えてきている点です。
予想以上に、経済にブレーキを掛け過ぎたとなれば、今度は利下げを行い経済を動かす必要性が出てきます。
不景気の程度にもよりますが、利下げを行えば債券価格は、22年の逆の値動き債券価格は上昇する流れとなります。
金利が5%→4%と低下すれば、保有していた5%商品の価値は上がりますよね!
リセッションが深ければ深い程、ここの値上がり益が期待できる訳です。
値上がり益を売却し、下落した株式ファンド(リセッションしているので)に乗り換える事も個人的にはアリかなと思っています。
②満期まで持った場合
生債券は、ETFと違い償還日が決まっており、基準価格を100として計算されています。
先程の証券会社の表であれば36.0%なので、今だと64%OFFと言う事です。
仮に、リセッションが訪れなくても、そのまま満期まで持ち続ければ100として返ってくる事が保証されています。
為替リスクもありますが、64%のキャピタルゲインを貰えると言う事です。
元本が保証され、運用利回り4%は中々良い水準かなと思います。
おすすめ書籍
景気サイクルと金利の関係性が、深く学べるベストセラー本。
『なぜ利上げを行う必要性があるのか?』をより深く理解出来ると思います。
一筋縄ではいかない日本の現状も知れ、オススメです!
債券投資を行う事で、株式投資の理解も深まると考えます ^^
まとめ
・2023年、私は米国の債権をリスク資産の4%程購入しました
・目的は、債券投資を通してマクロ経済をより深く理解する為です
・運用額が大きくなった際の、資産分散の練習にも繋がったと考えています
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
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