ちょっと前に老後4,000万円問題が話題に上がりました。
ほとぼりが冷めたので考えを整理して行こうと思います。
まずは、4,000万円問題の中身から👇
老後4,000万円問題とは
ことの発端は、某テレビ番組の「今のインフレが続けば20年後には4,000万円をイメージしなくてはならない」と放送されたのがきっかけでした。
テレビ報道の前提が「インフレ率3.5%」。2,000万円必要なものが毎年3.5%上昇していくと20年後には4,000万円程になる試算です。
【論点は何処なのか?】
①インフレ率3.5%はオーバー
②そもそも2,000万円問題
③計算に甘い部分も
インフレ率3.5%はオーバー
年3.5%のインフレはかなりの上昇率です。
政府や日銀も2%の物価上昇率を目指しているので、もし3.5%ものインフレが常態化すれば必死に抑えにかかります。
なので、「20年後に4,000万円が必要」と言うのは、個人的にはオーバーな様に感じます。
放送当時の3%台半ばは事実ですが、それを基準にして計算して良いものなのか?
ここのロジックは、金融知識が求められる部分だと思います。
メディアに対して疑問を感じた人もいたかもしれません。
そもそも2,000万円問題
一歩前に戻って「老後2000万円問題」を簡単に振り返ります。
老後2000万円問題は、2019年金融庁の報告書をきっかけに浮上した問題です。
この報告書は、高齢夫婦が年金だけでは老後の生活資金が不足すると言うもの。
約30年間の老後生活で2000万円の追加資金が必要になることを指摘しています。
論点になるモデルケースは👇
夫が会社員として厚生年金を受け取り、妻が専業主婦として国民年金を受け取るケースです。
【生活費】
– 月々の生活費として約26万円を消費
– 公的年金の受給額が月々約21万円程
【不足分】
– 毎月の収支差は約5万円
– 30年間で不足分を合計すると約2000万円
出典;みずほビジネスパートナー
上のグラフは専業主婦と共働き世帯の割合です。
2000年に50%を超えたのち、2019年では共働き世帯が7割程を占めています。
個人的には、2000万円問題自体が現役世帯万人に共通する数字ではないと考えています。どちらかと言うと1980年代の高齢者向けの様にも受け取れます。
シュミレーションに甘い部分もある
最後3点目は、テレビ報道は引退時の”点”で捉えている事です。
インフレに対して注意喚起をしたいのであれば、引退時以降のインフレ率を含めた”面”の要素で伝える必要があります。
先程、3.5%はオーバーと言いましたが、「インフレが続くと必要な老後資金も増える」ここの視点は軽視できない点です。
仮に、日銀が目指す2%のインフレが続くとどうなるでしょうか?
【2%のインフレが続いた場合】
現 在 :¥2,000万円
10年後:¥2,437万円
20年後:¥2971万円
30年後:¥3,622万円
40年後:¥4,416万円
若い人程、インフレの影響を受ける事が分かります
テレビ報道は老後を迎えた時点で4000万円が必要になる試算で、老後生活以降のインフレ率は含まれていません。
詳しい計算式は私には分かりませんが、論点をまとめると
①3.5%のインフレ率はオーバーだけど、インフレも加味した老後資金の準備は必要。
②老後2000万円問題のモデルケースは多くの人にはあてはまりにくいので、夫婦で検討する必要がある。
この様に考えています。
老後費用に対する考え方は、マクロ経済スライドを加味し、こちらのブログにまとめています👆
対策〜あなたはどうする?〜
対策の1つになるのが、新NISAを使った資産形成です。
1人あたり1800万円、夫婦で3600万円。パワーある数字です。
一般的に、インフレに強い資産は株式やコモディティ、不動産です。
低コストでリスク許容度に注意しながら、長期で積み立て行けば利益は大きな金額になる可能性が高いです。
今回の4000万円問題では引退時の資産は現金100%と言われていますが、資産寿命を伸ばしていくのであれば運用+取り崩しが健全です。
また、人生100年時代と言われているので、70歳リタイア+年金繰り下げ受給を行えば計算額は大きく変わってきます。
60歳以降も働けば健康寿命も維持できますし、社会参加する意義も大きいです。
まとめ
老後の資産形成は数十年後先の話でなかなか実感が湧きにくいですよね。
働き方・ライフスタイル・収入や資産によっても大きく異なります。
今回の様な老後4000万円問題に煽られない様、今後も金融知識を深めていきたいですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊
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