資産運用 〜r > gの現実〜

経済的ゆとり

こんにちは、アランです。

今回のテーマは、『r > g』の現実〜金利は軽視してはいけない〜

『r > g』この数式を目にした事がある人は、多くは無いと思います。

難しい印象を受けかも知れませんが、考え方は至ってシンプル。

結論経済成長率(g)よりも、資本(r;株など)の成長率の方が高いという事

資産形成のヒント、投資スタートに悩んでいる方の背中を後押し出来れば幸いです。

目次はこちら

r > g

最初に、『r > g』この計算式を考え出した人を紹介。

その人は、『21世紀の資本』を書かれた、フランス人経済学者、トマ・ピケティです。

彼は、パリ経済学院の経済学の教授。

ロンドン大学で博士号をとり、MIT(マサチューセッツ工科大学)の准教授も務めました。

ピケティが書いた本、21世紀の資本には何が書かれていたのか?

アラン先生
アラン先生

『資本主義社会である以上、所得分配の格差が拡大する傾向があり、それは今後も続く』この様な事が書かれています。

彼は、200年間のヨーロッパ・アメリカのマクロ経済データを、10年以上かけて集計したそうです。
  結果、わかったこと  

それが、『r > g

rは、資本収益率(年5%程度

gは、国民所得の成長率(年1~2%程度

rは、株式や債券、不動産などの全ての資産の平均収益率。

gは、国民所得の増加率になるので、

資本収益率が、国民所得の成長率を上回る』ことを示します。

ピケティが警鐘を鳴らしたのが、『貧富の差が引き継がれやすい』点です。

『資本家の儲けが、一般所得の伸びより大きく増えるので、格差が拡大する』この点を指摘しています。

資産が多ければ多いほど、不労収入(働かずに入る収入)の額は、大きくなります。

資本のストックは、複利の力で蓄積され相続されていくので、『お金を持っている世帯は、より豊かに』『貧しい世帯は、労働せざる負えない環境』になります。

過去のブログでも、日本やアメリカは貧富が継承されやすい国である事を紹介しました。

子育て世帯に知って欲しい経済データ3選

こちらのブログですね!

まだの方は是非、ご覧になって下さい ^^

アラン先生
アラン先生

次にピケティは、どのような政策を提案しているのか?

それは、グローバルな資本課税です。

世界全体で、累進的な課税制度を取り入れよう』こうした考えを持っています。

大富豪は、資産を守る為にストックされた資産を、税率がより低い地域(タックス・ヘイブン)に移します。

タックス・ヘイブン(Tax Haven)とは、課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことで、租税回避地、低価税地域とも呼ばれます。

マクロな視点で対策を取らないと、各国レベルで政策をとっても効果は薄いと言っているのです。

アラン先生
アラン先生

では、私達はどの様な対策を取っていけば良いのか?

話の規模が大きくなったので、ミクロな視点で考えてみましょう。

軽視してはいけない金利

18世紀まで遡ってデータを分析した結果、「r」の資本収益率が年に5%程度であるにもかかわらず、「g」は1~2%程度しかなかったとしています。

アラン先生
アラン先生

この『2〜4%』の違いをどの様に考えるか?

 

・大きいのか?

・小さいのか?

 

金利について、考えます。

最初に定義。

金利』は、
・貸金や預金に対する利子
・利息、元金に対する利子の比率
『利子と利息の違い』
利子:支払う側
利息:受け取り側〜例〜
・銀行貯金で利息を受け取る
・住宅ローンの利子を支払う
次は「金利の考え方」。
ローンはなるべく組まない資産形成が必要、対比して考えます。
①利子を支払い続けた場合

②利息を受け取る場合

①金利を敵にした場合

ローンの中身は色々あります。

住宅や車、奨学金、リボ払いは4大金利とも言われています。

住宅購入は、まとまった資金の準備が難しいことが多い為、ローンを組むことが多いと思います。

アラン先生
アラン先生

先程の『r』と『g』の差、少なく見積もった2%で計算したいと思います。

住宅本体価格:2,900万円

金 利   :2%(日本では高過ぎですが)

返済期間  :35年

支払う利子は:◯◯万円になるでしょうか?

▶️正解は、1,100万円(合計の返済額4,000万円)

2%と聞くと、一見少ない様に感じますが、35年と言う期間が発生すると、支払う利子の額はドンドンと膨らみます。

アラン先生
アラン先生

ご覧の様に、金利は軽視してはいけません。

毎月の返済額に目が行きがちですが、気にしなければならないのは、利率と支払う利子の合計額です。

家計がひっ迫しない為に、コントロール可能なのは、車の購入、奨学金、リボ払いの利用などです。

リボ払いの一般的な利率は15〜18%程。

法律ギリギリなレベルです。

毎月の支払額を抑えられ、一定にできるメリットはありますが、それよりも大きいのがデメリット。

そのままリボ払いを使い続けると、残高の増加や支払期間の長期化につながります。

普通の暮らしを求め、いくつかのローンを利用すると、生涯利子だけでも、1,000万近く支払うケースも出てきます。

金利は、「人生を破壊する力」を持っているとされ、金利を禁止している宗教もある程です。

②金利の力を味方にした場合

複利の効果は凄く、物理学者アルベルト・アインシュタインも認めるもの。

複利とは、「元金によって生じた利息を次の元金に組み入れる方式」。

お金が、お金を産むような感覚で、雪だるま式に増えていきます

利子の支払いの反対、プラスの方向に働きます。

利率5%の場合、十数年で元金が倍になる程の力を持っています。

上記は、楽天証券の積立シミレーションで、金利を『2・3・4%』で計算した場合をシミレーション。

毎月の積立額は、全て30,000円。

積み立て期間は35年で計算。

1%違うだけでも約400万円、2%違えば約900万円の差が生まれます

アラン先生
アラン先生

敵にした場合と味方につけた場合とでは、長期的な視点で考えると、非常に大きな差。

資産運用を考える上では、「金利の知識」は必要不可欠となるのです。

資産を買おう

以上、説明してきたように、資産形成をする為に必要なのは、『r』を手に入れる事。

アラン先生
アラン先生

つまり、『資産』です。

資産とは、『自分の財布にお金を入れてきてくれるモノ』です。

利息や配当金などの株・債券、利益をもたらすビジネス、家賃収入を生んでくれる不動産収入などです。

人は、臨時収入が入ったり、給料が上がったりすると、ついつい欲しかった物を買ってしまいます。

資産を増やしたいのであれば、欲しかった物を最初に買うのではなく、株や債券、ビジネスなどの資産を買う事。

買う順番を変えるだけで、お金と欲しかった物、両者を手に入れる事ができます。

具体的な解決策は、こちらのブログで紹介しています。

子育て世帯に知って欲しい経済データ【対策編】

是非、ご覧になって下さい ^^

 

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まとめ

『r > g』を資産形成に取り入れよう 

・今回は、資本主義社会の現実『r >g』の紹介を行いました。

・ポイントは、『r』側の人間になる事。

・つまり、証券口座を所有し、資産運用を行う事です。

・証券口座は、『富の保管場所』。

・2024年は、新NISAも改定。

・得た知識を行動に移し、未来をより明るくしていきましょう ^^

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

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